犬の問題行動
犬業界で流布している言葉に『問題行動』というものがあります。
具体的には「吠え癖」「咬みつき」「飛びつき」「散歩の引っ張り」「トイレの失敗」などが挙げられますが、この『問題行動』の定義は明確には定められていないのではと思っております。
ちなみに獣医師監修の以下のサイトによりますと、
参照:わんちゃんとオーナーの暮らし 向上メディア「わんクォール」
犬の問題行動について具体的に明記されています。
これら問題行動を敢えて定義するならば、「人間社会にとって不都合な(=問題)犬たちの行動」なのではないかと思うのですが、それはもちろんそうであると思っていますが、様々なご家庭にご相談をいただく中で、たとえば「吠え=問題行動」だから直したいという方々にしばしばお会いします。
これは「吠え=問題行動=良くないこと=止めたい」や、「飛びつき=問題行動=良くないこと=止めたい」と思う方がいらっしゃるということですが、
どのケースにおいても注意したいことは、
「問題行動と呼ばれているから悪なのか?」
ということです。
問題行動は悪か
自身のコラム
「ドッグトレーナーにとっての「理想の犬」ってどんな犬?」
でも述べた通り、私は犬の理想の固定概念を持っておりません。
それは、
犬と人間(飼い主とそのほかの人)がそれぞれストレスを感じずに幸せに暮らしていればどんな行動をしていようが構わないのではないか、と思っているからです。
上記に該当しているにもかかわらず、例えば「吠え=問題行動」、だからなんとしても吠えさせないように、と思ってしまう飼い主の皆様がいらっしゃいます。
悪(=問題行動)とされる犬たちの行動を理屈抜きで制限することは容易いですが、
なぜ犬たちはそんな行動をするのか?
といった視点は常に持っておくべきだと思います。
なぜなら犬たちが発する『問題行動』にはなにかしらのメッセージが込められているからです。
そのメッセージを理解したうえで行動を制限することと、それを無視して制限することには大きな違いがあると思うのです。
犬は鏡に映った自身である
そういった視点で犬たちへの理解を試みると、どこかで自身の足りない点や至らない点が見つかります。
それこそが犬たちが私たちにもたらしてくれる「気づき」であると思います。
すべての犬たちは私たちを選んで私たちの元へと来てくれます。
それは私たちに何かを伝えに来ているからです。
問題行動を通じて彼らはそれを伝えに来ています。
犬たちの問題行動に真摯に向き合うことで、私たち自身の新たな発見があるはずです。
そういう意味でも、『問題行動』という言葉にとらわれずに、自身の愛犬とできるだけ向き合ってみていただきたいです。
我々ドッグトレーナーは、そのお手伝いをさせていただくことができます。
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