【ペットホテル】ドッグトレーナー24時間常駐のホテルのリアル：災害の中愛犬を預かるということ【ドッグホテル】

ドッグポート清水のある静岡市清水区は、先日の台風15号の大雨の影響で、店舗裏の巴川が氾濫するという、清水では未曽有の災害に見舞われました。

３連休のさ中ということもあり、当店でも多くのワンちゃんたちをお預かりさせていただいて居る中での本災害でしたが、結果としては幸いにして事なきを得ることができ、雨の時間以外はドッグランで一緒に遊び、無事にワンちゃんたちをご家庭へお返しすることができました。

「ちびまる子ちゃん」でも有名なこの巴川ですが、実は氾濫した事例が過去に何件かあり、それはそれは甚大な被害をもたらしました。

そんな過去の事例がある中で、大雨となると常に警戒が必要なこの河川の横で、人様の大切な愛犬の命をお預かりすることは大変なプレッシャーがあります。

今回の災害で得た教訓や、災害の実態などをご紹介できればと思い本コラムを書かせていただきます。

私が24時間常駐する理由～ペットホテルの危機管理～

そもそも私がこの店舗で夜間も滞在している理由は他でもなく、

お客様の愛する我が子が無事にご家庭に帰るまで最善を尽くしたい

という私の希望があるから、というシンプルなものです。

私自身も子どもを3人抱えていて、子どもを預けることがあると、やはり子供の身の安全は心配になるもので、それはもちろん愛犬に対しても同じことです。

一方私も単なる人間ですので、夜間就寝中に、静かに何かが進行してしまっていても気が付くことができるかというとそうではないかもしれませんが、あくまで預ける側の気持ちとしては、常に誰かが我が子に付き添ってくれている、というだけでも少しは安心できるのではないか、と思ってのことです。

大切な愛犬たちが何より無事に、願わくば楽しんで家庭へ戻っていけるようにと願い、毎日犬たちと夜を共にしているわけです。

故に、有事の際は、こちらも誰よりも危機管理に敏感になります。

ドッグポート清水にて愛犬をお預かりする際に私が意識すべき危機の多くを占めるはやはり「巴川の氾濫」一択であります。

私の妻はよく知っておりますが、降雨量の多いであろう雨が近づいてくるとき、最も私に警戒心が増します。

その際は、それはそれは常に巴川を見て、水位の上昇をチェックしています。それは今回のような「台風」と呼ばれるものでなくても、山間部で雨が続いている場合や、断続的な降雨がある場合、もちろん潮の満ち引きと合わせて考え観察しています。

結果として何も起こらなかった場合でも（これまで何も起きていませんでしたが）、常に浸水に備え一人あたふたと準備をしてこの数年過ごしてきました。

そんな「避難訓練」とも呼べる私のあたふたが功を奏したのか、今回もある意味では「いつも通り」スムーズに対応できたといえます。

・浸水を想定してある程度の高さにすべてのものをあげ、最悪浸水されてもいいもの（私物）は残し、お預かりの愛犬たちは間違いなく安全な高さの位置にあげ、自身が高さでいえば一番低い位置に待機する。（自身が水没しない限りは犬たちとその荷物は水没しない）

・浸水した場合に備えて土砂を流すルートをシミュレーションして、土砂を処理することに必要な用具は手元においておく。（１秒でも早く通常営業の体制をとる）

・犬たちの水が枯渇しない量の水をストックしておく。（生き残っても水がないと危険）

・停電に備えていくつかの懐中電灯と乾電池を置いておく。（犬たちは暗闇に入ると想像以上に見えなくなる）

などなど、

いつも通りに対応できましたが、結果としては残念ながらいつもとは違い、大きな災害となってしまいました。

巴川が溢れた瞬間

ドッグポート清水として大切にしていることの一つに、

ここに来れば日常を忘れられるようにしたい

ということがあります。

この台風の後も多くのお客様にいらしていただきましたが、ここが無事であることがお客様にとっても安心できることであり、安心できる場所であることなのかなと感じることができました。

それを思えば、これまで他人が見ればただあたふたと一人で災害に備えていたことも無駄ではなかったなと思えます。

今回も、巴川の増水に関しては溢れるまでの最後の1時間はかなりのスピードで水位が上昇していました。

それを常に注視できたからこそ、迅速な対応ができたと思いますし、その結果皆様の家族を無事にお返しできたと思います。

それを思うと、やはり24時間ここにいる意味は今後もあるのかと思いました。

今後お預けされる皆様もこれからお預けをご検討される皆様も、ドッグポート清水のドッグホテルは災害にも対応できるくらいドッグトレーナーがしっかりと愛犬を守っていると思って、安心してお預けください。