ドッグトレーナーというと、『犬のしつけ』のプロだと皆さま思われているでしょう。
実際受け持ってきたレッスンの回数はおそらく30000を優に超えます。
まだまだ至らないところは多いですが、報酬をいただいている以上プロとカテゴライズされるでしょう。
そんな犬ばかり見ている私ですが、現在5歳の息子と1歳の娘を持つ父親でもあります。
お子様を持たれている方もそうでない方も、『しつけ』というのは子どもも犬も共通して使われるワードだということは周知の事実ではないかと思います。
そんな私はしばしば、冗談交じりで
「うちの子(人間)もしつけしてくださいよ~」
と言われることがあります。
自身が子を持つドッグトレーナーとしては、この質問を受ける度に自身に問いかけます。
「子どものしつけと、犬のしつけって何がちがうんだろうか?」と。
そんな私が思案した、子どものしつけと犬のしつけについて記述していきたいと思います。
そもそも『しつけ』とは?
この題目の犬に関することは
にてお話させていただいておりますが、犬のことから少し離れて、『しつけ』の意味を検索してみると
- 1 《動詞「しつける」の連用形から。「躾」とも書く。「躾」は国字》礼儀作法をその人の身につくように教え込むこと。また、その礼儀作法。「家庭の―がよい」「―が厳しい」
- 2 裁縫で、縫い目や折り目を正しく整えるために仮にざっとあらく縫うこと。また、その糸。「―を掛ける」
- 3 田畑に作物を植え付けること。
- 4 作りつけること。
- 「笠に―の髭喰ひそらし」〈浄・大織冠・二〉
参照: <https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BB%95%E4%BB%98%E3%81%91/>
- 「笠に―の髭喰ひそらし」〈浄・大織冠・二〉
上記2,3,4,は専門用語だとして、1については私たちが想像する「しつけ」なのではないかと思いますが、この記載にもあるとおり「礼儀作法をその人の身につくように教え込むこと。」とありますが、
『礼儀作法とは?』
と疑問が重なっていきます。
さらにこの「礼儀作法]
を検索すると
礼儀作法れいぎさほう人がその社会生活を円滑に営み、社会秩序を保つために用いる規範と実践の総体。 礼とは温かい真心の具体的な表出であり、礼儀とは他との関係においてそれを判断・評価・行為の基準とする原則である。 礼儀に基づいて社会的に様式化された言語的・非言語的表現が作法である。
参照:<https://kotobank.jp/word/%E7%A4%BC%E5%84%80%E4%BD%9C%E6%B3%95-1438725#:~:text=%E7%A4%BC%E5%84%80%E4%BD%9C%E6%B3%95%E3%82%8C%E3%81%84%E3%81%8E%E3%81%95%E3%81%BB%E3%81%86,%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%8C%E4%BD%9C%E6%B3%95%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82>
要約すると『TPOに応じたマナー』となるのではないかと思います。
犬と人間の「しつけ」に求められるものの違い
上記を考えると、結局
この社会でのマナーを身につけよう、TPOに沿った立ち振る舞いができるように育てよう
という点では犬と人間の子供との「しつけ」に対する考え方に大きな相違はなのではと感じられます。
マナーとは地域が違えば正解が違います。
日本のマナーに沿っていても、海外では通用しない、或いは逆も然りです。
「郷に入っては郷に従え」
という格言があるように、現状の世界では今現在いる地域の社会のルールに合わせていくことが「しつけること」だとも言えます。
それはやはり犬も人間も変わりないことです。
三つ子の魂百まで
『三つ子の魂百まで』という格言があります。
3歳までに学び得たことが、死ぬまで影響している、そんな意味だと思っています。
これを単純に犬に置き換えると
『8か月児の魂20年まで』
と言えるかもしれませんj。
期間の違いはあれど、犬たちも生後8か月までに一生分の知識の基礎を構築します。
これは生後8か月までに「しつけ」をしなければ手遅れだというわけではなく、
適齢期までにしつけをすれば
「刷り込み」で済み
適齢を超えたら
「矯正」になる
とうだけの違いです。
『マナーを教えていく』
という意味では、
「この世界はそういうルールなのか」
か
「こういうルールだと思ってたのに違うんかい」
の違いだと思って相違ないかと思います。
私たちは『マナー』を教えることができるか
犬も子どもも、しつけに関して言えば上記を読んでいただければわかる通り、
私たちは犬・子どもに何を教えることができる程のものを持っているか?
という疑問にたどり着きます。
もちろん、「当たり前だ」という方々がほとんどだと思いますが、私はそうではありません。
「犬(子ども)をしつける」
というとどこか私たち大人が上からコントロールしようとしているように思ってしまいます。
そうだとしたら、親である私たちは子どもたちに手本となる完璧な存在でいるでしょうか?
犬に対しても社会的な『マナー』に準拠できているでしょうか?
ひいてはその「マナー」とは本当に正解でしょうか?
飼い主・親というだけで、その責任感故、何かと子どもや犬に求めすぎてしまうことも多いですよね。
私たちは未だ未熟な飼い主であり親です。
ドッグトレーナーであろうと犬たちにはまだまだできることがあるであろうと勉強しておりますし、
親としても、考え行動できることはいっぱいありますね。
「親」として、「飼い主」として
貴方は自身の愛犬に胸を張って指導できますか?
少しでも不安があれば、一緒に解決していきましょう。
コメント